会長ブログ かぶと塚から

  • 会長ブログ かぶと塚から⑥
  • カモシカも訪れる公園 
  • NPO法人磐田市スポーツ協会 会長 髙橋一良
  • 2024/7/2

 かぶと塚公園には、一年中多くの市民の皆様が散策に訪れる。若いファミリーは安心して子供たちを遊具で遊ばせ芝生広場ではボール遊びやかけっこをする。ジョギングコースには様々な年齢のランナーが健足を競い、ウォーキングを早足で楽しむ人もいる。陸上競技場では、小中高の児童生徒たちが、コーチの指導で練習に励んでいる。一番北側のかぶと塚グランドでは軟式学童野球の選手たちが声を上げ、バットは球音を響かせる。弓道場には一転して静寂の中、心を集中して伝統的な所作をする袴姿の射手がいる。弓道場の西側にはアーチェリー場があり、こちらも真剣に的に向かっている。磐田卓球場ラリーナには、金メダリスト伊藤美誠選手と水谷準さんのゆかりの品が展示されている。卓球のまち・いわたにふさわしく様々な年齢の人たちが12台の卓球台でラケットを振っている。160の観覧席もある。伊藤選手はここで特別練習を非公開ですることもある。
 スポーツ協会の事務局がある磐田市立体育館には、大体育場、小体育場、武道場、トレーニング室、会議室などがあり、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、卓球、剣道、柔道、空手など様々な競技スポーツの練習や大会に使用される。もちろんレクレーションでも利用できる。トレーニング室には筋トレやエアロバイクなどの設備があり、思い思いにトレーニングに励み汗を流している。
 これらの施設は市民なら誰でも使用することができる。もちろんすべてが無料ではなく使用するためのルールや条件もある。市外の方々にも使っていただけるように磐田市がルールを定めている。この運用管理をNPO法人磐田市スポーツ協会が磐田市から受託して受付業務を初め全般管理を行っている。
 スポーツを楽しむ皆さんが安全に気軽に使用してもらえるように、協会は適切な運用を行うと同時に、参加したくなるスポーツ教室のメニューも用意している。ヨガやダンベル、ノルディックウォーキング、バーチャルボクシングなど、他会場のものを含めると20以上の教室がある。(詳しくは施設使用方法も含めて、スポーツ協会のこのHPの別欄で確認してください。お問い合わせも遠慮なくどうぞ)
 かぶと塚公園のかぶと塚の由来は、兜塚古墳という5世紀(古墳時代中期)に造られた円墳が由来で、その形が武将の兜に似ているからといわれる。公園を正面から入ると駐車場になっているが、その北側の緑濃い森になっている箇所がその古墳である。ここからは過去の発掘で銅鏡や太刀、埴輪などが出土している。その規模は直径80メートル高さ8メートルで静岡県では最大の円墳である。立ち入り禁止ではないので、その古墳の森に自由に登ることができる。前述した陸上競技場、体育館などの施設の周りはどこも自由に散策ができ、夏ならば木陰で涼しさを求めることもできる。中にはギター持参で仲間たちと歌を歌っている光景も見られるし、不定期だが土日朝にはコーヒーを売る軽トラも出店する。近隣の幼稚園保育園は遠足で秋にはドングリを拾いに来てくれる。
 そして、最近は珍しいお客様・国の天然記念物ニホンカモシカが訪れる。初めて遭遇した人はびっくりして、体育館受付に飛び込んでくる。今年になって最初に目撃されたときには事務局も驚き、市役所や警察に対処方法を尋ねた。「天然記念物ということもあり、近寄らないで何も対処しないで良い。おだやかな性格で子供を守る以外、人間に害を加えることはないので、そのままにしておくように」との回答であった。気候の変動やエサの具合なのだろうか、森や山から人の住む里へ野生動物が下りてくるが、危害を加えないならば、そっと見守ることにしよう。
 四季折々、公園の樹木はいろいろな顔を見せてくれる。草花も咲き、水辺の鳥や虫の鳴き声も届く。北隣の静岡県立農林環境専門職大学敷地外周には公園から続く緑豊かな散歩道が廻っている。
 かぶと塚公園と合わせてぜひとも散策してください。そしてスポーツ施設にふらりと立ち寄っていただき見学したことが、ジムに通う機会に繋がればこんなに嬉しいことはない。