- 会長ブログ かぶと塚から⑤
- 2024年もスポーツを楽しもう
- NPO法人磐田市スポーツ協会 会長 髙橋一良
- 2024/2/15
2024年(令和6年)は能登半島地震発生という大変な事態からスタートした。すでに一か月以上の時間が流れたが、まだまだ復興の端緒についたばかりだ。家族を失い、家屋を破壊され、仕事場を奪われた能登の人々の悲痛な叫びが聞こえてくる。心よりお悔やみ申し上げ、どうか心を強く持ってくださいと祈ることしかできない。
スポーツや文化は大きな自然災害の前ではなかなかその力を発揮することができない。まずは国や地方自治体が公的な支援をなし、その上で民間の技術やノウハウを生かし、復興に向け懸命に努力していくしかない。その中でスポーツアスリートや芸能に携わる方々が個人やグループの力で寄付や避難所での炊き出しで現場に足を運ぶ姿は本当に有難いことだと思う。少しずつ笑顔が戻ってくる。狭い避難所や仮設住宅で手足を動かしてくださいと、各地から派遣された医師や看護師が心身の様子をうかがいながら呼びかけている。体を動かすこと、身体の隅々まで血を通わせること、
これが体育・スポーツの基本だ。何も考えず汗を流す。頭の中をスッキリさせる。被災地の人々はこれがなかなかできないだろうな、と想像する。
さて、スポーツ競技には勝敗がつきものだ。勝者がいれば敗者がいる。磐田市民が念願していた卓球の伊藤美誠選手はパリ五輪出場を逃した。しかし、まだ若い美誠選手は今回の決定を潔く認め、今後は日本では誰も到達したことがない世界ランキング一位を目指すと表明した。ふるさと磐田に戻り英気を養い新たなる挑戦に向かってほしい。心から応援を継続したい。
昨年12月に行われた第24回しずおか市町対抗駅伝では磐田市チームは前回より順位を一つ上げ12位の結果に終わった。磐田の持つポテンシャルからすれば納得の行くものではないと評価する向きもあるが、それは磐田長距離陣への激励と受け止めよう。2区小学生男子では豊田南小6年の平野空哉君が見事区間賞の走りを見せてくれた。平野君に限らず市内小中学生の活躍を見ると多くの競技種目で新しい芽が育ちつつある。
磐田一中3年の森本健太君は硬式野球のボーイズリーグ世界大会でチームの優勝に貢献した。福田中3年の鈴木楓君は全日本UJボクシング王座決定戦中学生男子68kg級で優勝日本チャンピオンになった。富士見小5年6年の田畑遥都、田畑拓瑞兄弟はJOCジュニアオリンピック/2023全国ユース選抜マウンテンバイク大会で両者とも準優勝を勝ち取った。このような若い力の台頭は周囲の人々に希望と勇気を与える。これがスポーツの力である。静岡県出身の熱海富士と翠富士の勝敗に一喜一憂し、県内では相撲ファンが急増した。磐田市出身の力士爽関(神明中卒)と宮谷関(磐田一中卒)はまだ序二段だが、厳しい角界でのいっそうの精進を期待したい。
スポーツを観て応援して楽しむこと。その熱戦に手汗握り大きな声で声援を送り、勝てば喜び、負ければ悔しがる。特に地元のチームと選手には熱が入る。
2024年のスポーツ界はどんな喜びを私たちに与えてくれるだろうか。少なくとも被災地の皆さんにきっと大きな勇気と希望を与えてくれることは間違いないだろう。
一日も早い復興を願うと同時に、ひとごとではなくどこにも起こりうる自然災害を想起しその備えを怠りなくしていくことを改めて肝に銘じたいと思う。